東山魁夷展

現在、九博で開催中の東山魁夷の特別展を見てきた。 私のなかでは「日本画の巨匠」というよりもっと、優しい絵を描く親しみやすい画家というイメージ。 奈良に旅行に行った時、時間の都合で見れなかったが、なんと向こうから来てくれた!

「親しみやすい」とか偉そうなこと言っておきながら、これまで教科書とか雑誌で見かけるだけでまともに鑑賞したことがなかった。

本物の作品は印刷物とは違い、大きく迫力がある。写実的とは対極にあるその作品はイラストや商業デザインさえ彷彿とさせるぐらい事物を省略しているが、多くの人の心に響く作品であり続けている。

彼の作品は実際にある風景をそのまま描くのではなく、自分というフィルターを通し、さらに熟成させて「どこにもない景色」なのだが「誰もが見たことのある懐かしい景色」を生み出す。

今の世の中は「きれ〜い!」「すご〜い!」とスマホでパシャり!とやるので即時性はあるのだが、なにか「薄っぺらい」感はぬぐいきれない。

自分が写真を撮るなかでも、どういう、プロセスになるかわからないが、この「熟成」という事を大切にしたい。

展示の中でも、「唐招提寺」の襖絵は本当に素晴らしいのでみる価値おおいにありです!

話は変わりますが、富士のフィルムシュミレーションのクラシック.クロームは「魁夷ブルー」に近いです(あくまでも個人の感想です。)。